インフルエンザの流行を前にして

12月現在、鹿児島市では関東地方ほどの流行は見られておりません。

ただし、インフルエンザが流行しない年はありません。大なり小なり流行があるのは間違いありません。通例ですと年明け2〜3週から流行することが多いようです。そして、2つくらいのピークがあって、ゴールデンウイークの頃ようやく収束するのが一般的です。

【診断について】
何と言っても診察です。迅速診断キットも利便性はありますが、あくまでも補助手段です。と言いますのは検査で陽性と判断されれば、ほぼ100%インフルエンザと診断してかまいませんが、検査が陰性でも完全に否定出来るのは50〜70%程度と言われています。保育園・学校などで検査を受けて来るよう指示されて来院される子供たちは多いのですが、本来は診察を受けることが大切なのです。時に検査を含めた総合判断が大切です。他の診断キットでもしかりです。検査だけを頼りにすると大きな落とし穴があることを知っておいてください。

【治療について】
イナビル、タミフルなど皆さんよくご存知とおもいます。大切なことはできるだけ早い時期に開始することです。何故かと言いますと、これらの薬はウィルスの増殖を抑えることを目的としているからです。ウィルスを死滅させる薬ではありません。時間が経ちすぎてしまうと、身体中にウィルスが広がってしまいます。繰り返しになりますが、あくまでも増殖を抑えて症状を軽くする薬です。

また、当然ですが自然治癒することも知っていてください。

【登園基準】
2つの基準があります。

1、発症後5日間は最低登園停止です。
2、解熱後3日間(学童2日間)を経過するまでは登園できません。

1,2のいずれか長い方となります。

注意しなければいけないポイントは、発熱初日は発症0日であり、翌日を発症1日と数えます。
薬の効果で熱は1〜2日で下がることが一般的ですが、ウィルスは残っています。熱が下がったからといってすぐに登園してはいけません。

登園基準は守りましょう。

【予防について】
ワクチンの効果は十分期待できます。毎年受けることも効果維持の観点から大切です。
基本は個々の健康管理です。うがい、手洗いまた流行が本格化してきたら人出の多い所へは行かないようにしましょう。

【流行を前に】
インフルエンザを個々の努力、集団の努力で最小限の流行に止めましょう。